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[5] 日本国憲法に国家緊急事態に関する規定を

東日本大震災は我が国と国民にとって、取り戻すことのできない多大なる損失をもたらしました。多くの生命や財産を一瞬のうちに無くしてしまいました。

私は同僚の参議院議員二人とともに救援物資をもって仙台市若林区、石巻市などの被災地を訪問し、愕然としました。宮城県内にあるがれき量は宮城県全体の23年分の一般廃棄物の量に相当するなど、深刻な状況を知り、復旧、復興には国の全面的な財政支援と強力なリーダーシップが必要であると強く思いました。

今般の東日本大震災は、まさに日本に「国家緊急事態」をもたらしております。

しかし、こうした国家緊急事態に対し、日本は国家として的確に対処する仕組みあるいはルールを持っていないのです。そのことが救援、復旧を遅らせ、事態を一層深刻化させている大きな原因であることも明らかになったと思います。

私は現行憲法に国家緊急事態に関する規定がないに等しい状況は、きわめて問題であると考えます。

今回の東日本大震災は昨年の3月11日に起こりましたが、例えば衆議院がすでに解散されていたらどうなっていたのだろうかと考えると、国家は機能不全に陥り、更に大変なことになってしまっただろうと思います。

あるいは、衆議院の任期満了直前に今回のような震災が起こってしまった場合はどうするのか。憲法上の規定によって任期満了で総選挙に入らざるを得ないという場合を考えますと、現行憲法には大きな落とし穴があると言わざるを得ません。

国家の緊急事態というのは、自然災害のみならず、テロやその他いろいろな場合が想定されます。

日本が本当の意味で独立国家として存続するには、緊急事態時の規定を置く必要があると考えます。そうすれば憲法の下で、緊急事態を想定した様々な法律も整備されていくと思います。

今回の東日本大震災や原発事故について、もっと迅速な対応がとれないのかと様々な批判が起きておりますが、もっと適切かつ迅速な措置をとるためにも、また、最近起こっている尖閣諸島、北方領土の問題、さらには北朝鮮問題の与える様々なリスクに対し、主権国家として迅速かつ当然の対応をしなければならない事態が生じた時のためにも、国家緊急権の問題を早急に議論すべきだと考えます。

具体的には「内閣総理大臣は、外部からの武力攻撃、テロリズムによる社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の緊急事態において、特に必要があると認めるときは、緊急事態の宣言を発すことができる」とし、「緊急事態の宣言が発せられたときは、内閣総理大臣は、法律と同一の効力を有する政令を制定し、財政上必要な支出その他の処分を行うことができるほか、地方公共団体の長に対して必要な指示をすることができる」といった規定が必要だと考えます。さらに、「緊急事態の宣言が発せられた場合においては、衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期等の特例を設けることができる」といった規定も検討すべきでしょう。

国家緊急事態においても、人権を制限することには慎重でなければならないことは当然であります。一方で、東京直下型の大地震が起きた時などに混乱に拍車をかけるような極端に利己的な経済行動は規制し、復興を阻む過度の財産権の主張は認めないといった仕組み、ルールは必要であると考えます。そのような仕組み、ルールをあらかじめ制定しておくことのできる憲法上の根拠規定も必要でしょう。

この点からも現行憲法は改正すべきであり、東日本大震災や我が国の領土、領海、主権に関わる様々な問題が起きている今こそ、こうした国家緊急権のあり方、その行使をどのようにしたらよいのかという問題意識から憲法改正論議を高めていく必要があると考えます。
今こそ国家を守る使命感を持って、持続可能な社会をつくろう!(2012/1/1)
[1] 政治の最大の任務は「国を守る」こと
[2] 領土、領海への攻撃に対して
[3] サイバー攻撃に対して
[4] マーケットによる攻撃に対して
[5] 日本国憲法に国家緊急事態に関する規定を

エネルギー新政策確立にむけて(2011/8/15)
[1] 大震災が浮き彫りにしたエネルギー問題
[2] エネルギー事情の本質
[3] 実現に向けての新エネルギー
[4] エネルギー政策のこれから

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