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活動報告「新エネルギー・省エネルギー国際会議」で講演


平成17年11月7日(月)国際環境・エネルギー問題研究会の主催で第1回新エネルギー・省エネルギー国際会議が世界貿易センタービル内の会議場で開かれました。この国際会議は日本エネルギー学会や資源エネルギー庁が後援し、「わが国エネルギー技術による地球温暖化対策への貢献」をテーマに内外の有識者の報告や講演とパネル討論を中心とした国際セミナーとでも言うべき有意義な会議でした。
まず、資源エネルギー庁次長 細野哲弘氏が「エネルギーと日本の未来」と題する基調報告をしました。細野次長は「現在の厳しいエネルギー情勢は、基本的には、世界のエネルギー市場における構造的要因によってもたらされるものである。」とし、「このため、現在の状況に対しては、新しいエネルギー価格体系の下で、省エネルギーの一層の推進や新エネルギーの導入・原子力の推進などによる石油以外へのエネルギー転換を大胆に推し進め、日本の経済・産業を原油高騰等のリスクに対して強靭な体質に改革していくことが必要となる。」と強調しました。
続いて、東京農業大学教授 柏木孝夫氏の「新産業創生と発展途上国への技術移転」と題する基調報告がありました。柏木教授は「これからのエネルギーシステムは、セキュリティ面からみても、既存の大規模集中型発電システムをベースとして、分散型再生可能エネルギーシステムなどとの最適ネットワークの構築が不可欠である。」と主張されました。

次に、タイ王国元外務大臣 クラッセ・チャナウォン氏、中川雅治、東京大学名誉教授 藤田和男氏、駐日英国公使 マーチン・ハットフル氏の順で基調講演が行われました。
クラッセ・チャナウォン氏はアジアの石油危機の原因を分析したうえで、「1バレルあたり10ドルの原油価格の上昇はアジアのGDP平均を0.8%下降させ、アジアで平均し1.4%程度の物価上昇をもたらす可能性がある。」と指摘されました。そして、タイ政府が現在抱えている深刻なエネルギー問題を説明し、タイに利益を還元できる新しいエネルギー資源を外国で追及する考えを述べました。
タイ王国元外務大臣クラッセ・チャナウォン氏
タイ王国元外務大臣クラッセ・チャナウォン氏

中川雅治
中川雅治
続いて、私が「環境政策について」と題する基調講演をしました。その中で私は、「地球温暖化防止のためわが国は率先して京都議定書の国際的義務を達成しなければならないが、その達成は容易ではない。」との認識を示したうえで、「もし、達成できないようなことがあれば、ロシアなどから排出権を購入して帳尻を合わせなければならず、その場合は地球規模での温室効果ガス削減には役立たないばかりか膨大な財政負担(国民負担)が生ずる可能性があることを、今からもっと真剣に考えておかなければならない。」と強調しました。京都議定書上の国際的な約束を果たすために、わが国は産学官の総力を結集した対応が必要です。その対応の柱として、新エネルギーと省エネルギーに関する技術の重要性を改めて認識しなければならないと思います。

次に、藤田和男教授が「石油の時代、今までと未来」と題する基調講演を行いました。過去150年間の石油の歴史を述べたうえで、世界の原油国別残存可採鉱量を紹介されました。また、石油の探鉱・開発・生産分野における主な技術進歩について解説され、今後傾注すべきエネルギー政策として、(1)天然ガスへのシフト (2)日本発の省エネ技術の発展途上国への世界的な普及 (3)新エネルギーの分散型エネルギー利用技術に取り組むこと (4)海外石油資源の更なる探鉱・開発に参加することなどを挙げられました。
藤田和男東京大学名誉教授
藤田和男東京大学名誉教授

マーティン・ハットフル公使
マーティン・ハットフル公使
最後にマーティン・ハットフル公使が低炭素経済へ変えていくための英国の新しいエネルギー政策について講演しました。ハットフル公使は「先進国に対し、2050年頃までに温室効果ガスの排出量を60%まで削減することを期待する。」とし、「英国も二酸化炭素の排出量を2050年を目処に現在より約60%削減することを目指し、それに伴う実質的な進歩を2020年までに達成する。」と述べました。

その後、東洋大学教授 久留島守広氏がコーディネーターをつとめてパネル討論が行われました。
私はこの国際会議の休憩時間などを利用し、クラッセ・チャナウォン氏やマーチン・ハットフル氏と個別に意見交換を行うことができました。
アジアをはじめとする発展途上国が経済成長・人口増に伴ってCO2排出量が急増する中で、新エネルギー・省エネルギー技術による国際社会全体の排出量削減へ向けた取り組みは急務です。
また、わが国にとっては国家戦略としてエネルギー政策がますます重要になってきます。こうした問題意識を持って開催された今回の国際会議は内外から約140名の参加者を得て大変充実したものとなりました。主催者、後援者の皆様に感謝いたします。

クラッセ・チャナウォン氏と意見交換 マーチン・ハットフル氏と意見交換
クラッセ・チャナウォン氏と意見交換 マーチン・ハットフル氏と意見交換
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